おわりに

平成四年に「逢妻女川 むかしむかしあのね」を発行して以来、早くも7年の歳月が流れ ました。
あの冊子を通じて、新しい世代の皆様や、縁あってこの地に移り住まれた皆様にも、 逢妻の地に伝わる昔話を知っていただき、ふるさと意識の高揚にお役に立てたことと 思います。
今、西部逢妻地域には4000世帯を超える人々が居住していますが、50年ほど前は その10分の1程度の世帯であったと思います。
つまりこの地に住んでいても、 この地の昭和前半の 時代を知らない人の方が多いということです。
今はどこの家庭も豊かですが、50年前は戦中、戦後の混乱期を含め大変な時代でした。
しかし、社会全体が貧しかったため、貧しさに悲嘆することもなく、むしろ皆で力を 合わせ助け合っての暮しは、多くの人情味あふれるエピソードを生み、人の温かさを 身をもって実感することが多かったと伝え聞いています。
この度、このような人々の生きざまや エピソードをとりまとめて 「逢妻の昭和 あの日あのころあのね」を 発行する運びとなり、西部懇話会、 とりわけ各区の区長さんが中心となって、 おじいちゃんと子供の会話形式で編集 していただきました。
「逢妻女川 むかしむかしあのね」と 同様の… 西部地域も50年を単位として振り 返った時、その変貌ぶりは想像を超えて いると考えます。
新しい時代を切り開いていくには常に 若い力と想像力が必要です。
しかしどんな時代でも過去の時代の 延長線上に現在があり、その先に 未来があることは論じるまでもあり ません。
それが「永遠の今」であり、 「温故知新」であります。
豊かな自然や逢妻女川に象徴される 西部地区が未来永劫に人々の心の ふるさととして発展していくことを 念じつつ、この冊子がその一里塚と なることを願います。

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