国定教科書の変換


*〜昭和七年の教科書は尋常小学国語読本 いわゆるハナ・ハト読本といわれた。
内容の特色として
@児童自身を主人公にしたものが多く
A童話 童謡を文学教材にして
B外国紹介など国際的視野に立っていた。
…ハナ ハト マメ マス ミノ カサ カラカサ… (大正十五年三月までの出生者が使用)
*〜昭和十五年の教科書は小学国語読本、 いわゆるサクラ読本といわれた。
特筆されることは
@挿し絵・表紙が色刷りで
A単語でなく文章法を使用して
B劇的教材が豊富であった。
しかし一方では空中戦とか東郷元帥など 軍事的教材、 天の岩屋・神武天皇などの神話的教材、

サルトカニ、浦島太郎などの伝説的教材が 軍国主義への予感を強めていった。
…サイタ サイタ サクラガサイタ 、 コイ コイ シロコイ 、 ススメ ススメ ヘイタイ ススメ… (昭和九年三月までの出生者が使用)
*〜昭和二十年の教科書は いわゆるアサヒ読本といわれ、
@十六年に国民学校令が公布され、
A義務教育の年限が八年となり、
B国語・終身・地理・歴史が統合され 国民科となる。
忠君愛国の精神を鼓吹して皇国民の 練成をめざしていた。
…アカイ アカイアサヒ アカイ… (昭和十四年三月までの出生者が使用)

*〜昭和二十一年の教科書は 敗戦直後 連合国軍の占領下でだった。
今までの教科書の国家主義・軍国主義 ・神道主義の教材に対して @切り取り・貼り合わせ・墨ぬり による削除をし
A終身・歴史・地理の授業停止がなされ
B教科書の回収が行われた。
そして削除対象外の教材をベースにして 編集された暫定教科書が発行されたが、 新聞用紙に本文二段組みの印刷をした 粗末なものだった。
製本もされずA5版に切り揃えるか、 折りたたんで使用した。
(昭和十五年三月までの出生者が使用)
* 〜昭和二十四年の教科書は 新学校制度六・三制発足され、GHQの提案により、 話す・ 聞く・読む・書くを主体とした教科書で
…まことさん はなこさん…
…いなかのいちにち…
…いさむさん…を発行する。
これらの三冊は後の検定教科書に大きな影響を与えた。
(昭和十八年三月までの出生者が使用)

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